歯の土台(コア)の選び方

神経を取る場合は歯の土台「支台築造」が必要になります。

前述の通り歯の状態にもよりますが、神経を抜かない治療「ドッグスベスト」の選択肢もあります。患者さまには神経を抜く、又は抜かない、の選択をしていただいた後、神経を抜く方には歯の土台(コア)の種類を選んで頂きます。

神経を抜くことによって変化する歯の性質
●神経を取ると歯が弱くなる?
コアの選び方木で例えると、神経や血管がある場合は、栄養があり瑞々しく生きていますが、神経や血管を失うと弾力性を失い枯れ木のようになって脆くなります。歯が変色したり、折れやすかったり、化膿しやすくなったりします。

※神経がなくなることによって、むし歯になった時に気づかないで悪化させてしまうことがあります。歯がなくなるまでの流れをできるだけ遅くすることで、歯の寿命を延ばすことができます。

大きなむし歯や歯の破折、再治療などにより、歯に十分な量の歯質が残っていない場合には、人工の土台(コア)で歯を補強する必要があります。歯質があまり残っていない歯に被せ物(差し歯)をつけても、すぐに取れたり、残っている歯が割れたりしてしまうからです。
コアの選び方

1.歯の土台(コア)は目立たない部分ですが、とても重要な治療です。どのような素材の土台(コア)を使うかによって、その歯に将来起きるかもしれないトラブルの発生率や歯の寿命が変わります。


2.歯の土台(コア)は、家に例えるならば基礎や柱に当たる部分、家は基礎や柱がしっかりしていなければどんなに見栄えのよい家でも長持ちしません。建築においては、万一の大地震にも耐えられるこれまで基礎や柱を硬く丈夫にすることで耐震性を高めてきましたが、最近では力を吸収分散する免震構造により地震から家を守るという新しい方法が取り入れられています。


歯の土台(コア)についても同じことがいえます。
コアの選び方
被せ物(差し歯)がきれいで長持ちするものでも、その下の土台(コア)や歯の根に問題が起きれば、抜歯や歯全体の再治療が必要になります。

コアの再治療がないように最初からコアは白い歯に希望の可能性がある人は特にファイバーコアを最初から選ぶことも視野に入れてください。

●コアの特性を知っていただいてからの選択を...
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歯根破折

歯根破折歯には、食事の時や歯ぎしり・食いしばりの時など毎日いろいろな方向から強い力がかかっています。一般的に使用されている金属の土台(メタルコア)は丈夫ですが硬すぎるため、十分な歯質が残っていない歯では、強い力がかかった時に歯が割れてしまうことがあります(歯根破折)。
このような場合、歯の保存が難しい割れ方(縦破折)をすることが多いため、抜歯になる可能性が高くなります。歯質の少ない歯には、硬さやしなり具合が歯と似ているファイバーコアを使用することで、歯が受け止める力を分散して破折などのリスクを減らすことができます。

フェルール、フェルール エフェクト:帯環効果

象牙質をクラウンが取り囲んで歯が割れるのを抑えるような効果をフェルール効果(ferrule effect)といいます。
フェルール効果
生活歯、効果高い
フェルール効果
効果少なめ

●フェルールとは?
失活歯にクラウンを被せる際に、そのクラウンのマージンより歯冠側に残る健康な象牙質のことです。このフェルールによってもたらされる効果のことを「フェルール エフェクト:帯環効果」と言い、これには歯根破折を防ぐ効果があります。

フェルール効果フェルール効果がない
このフェルールが有るか無いかでその歯の安定性が大きく違ってきます。

十分なフェルール エフェクトを得るためには、高さ2mm、幅1mm、歯の全周の75%以上のフェルールが必要だと考えられています。(最新の材料を使うことによっては高さが1.5~1.0mmでも問題ないと言われていて、高さは不揃いよりも均一な方がいいと言われています。)メタルコアなどによる歯根破折を防ぐためには、このフェルールは特に重要な要素となります。

前歯
前歯(画像クリックで拡大)
臼歯
臼歯(画像クリックで拡大)

支台築造

支台築造

むし歯で神経を抜いたり、何かの理由で歯が欠損し、自分の歯にクラウン(被せ物・差し歯)を被せられない場合には、人工の土台(コア)で欠損した部分を補う必要があります。
この歯の土台(コア)を作る治療のことを「支台築造」と言います。

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