2300万人の入れ歯の方に知っておいていただきたい話

噛むことはアンチエイジング  お顔のハリが失われにくいです。
噛むことは健康        消化不良、便秘などが改善されることもあります。
噛むことは幸せ        好きなものが食べられからノンストレス。食欲もUP!
会話を楽しむ喜び       話中に落ちる心配はもうしなくて大丈夫!

もしあなたがこれから入れ歯を選択するかもしれない、もしくは入れ歯で全く悩みがない、といった方も是非知っておいていただきたいことがあります。歯を失ってそのままにしていると、様々な影響が出てきます。 歯は全体のバランスから成り立っているので、たった一本の欠損でもそのままにしておくことはよくありません。

抜けたままにしておくと、次のようなデメリットがあります。

1.機能面での影響
2.審美面での影響
3.生活面での影響

1.機能面での影響
(1)抜けた歯とかみ合っていた歯が伸びて出てくる(対合歯の挺出)
失った歯の対合歯(かみ合わせの反対側の歯)は、かみ合う歯がないので、徐々に伸びてしまいます。伸びてきた歯をそのまま放置しておくと、いずれこの歯も抜かなければいけなくなります。

(2)抜けた歯の両隣の歯が動いて傾いてくる(隣接歯の傾斜)
両隣の歯が、歯がない方向に徐々に傾いてきます。長い時間そのままにしていると、さらに隣の歯も同じように傾いていきます。そして、噛めなくなってきます。

(3)抜けた歯とかみ合っていた歯が伸びて出てくる(対合歯の挺出)
対合歯の挺出や隣接歯の傾斜により歯間の隙間が広がるので、プラークがたまりむし歯や歯周病ができやすい口内環境になります。 プラークとは、むし歯や歯周病の原因となる細菌の集合体のことです。失った歯の周辺の残存歯が移動することにより、咬合(かみ合わせ)がずれてきます。また、失った本数が多い場合にはうまく噛めないので、もう片方の歯でばかり噛み(偏側咀嚼・片噛み)、かみ合わせのバランスが崩れていきます。かみ合わせのずれは、顎関節症の原因となります。

2.審美面での影響
(1)見た目が悪くなる(美観を損なう)
デンタルIQという言葉が日本でも広く知られるようになりました。 歯の美しさは知的な印象を与えます。歯列の一部欠損(歯抜け)は、人前で笑顔を見せることが億劫になったり コンプレックスとなり、コミュニケーションを阻害することがあります。 歯列の一部欠損(いわゆる歯抜け)は、人前で 口をあけたり笑顔を見せることに抵抗感を与え、コミュニケーションが阻害されたり、表情が暗くなりがちです。仕事にも影響を及ぼす可能性もあるでしょう。

(2)歯ぐきの位置が下がってくる(歯肉の退縮)
歯を失うと、歯肉が小さくなってしまいます。「歯茎がやせる」とも一般的に言われますが、実は歯肉の中にある骨の量が 少なくなるためにそれにあわせて歯肉が小さくなったように見えるのです。歯を失ってしまってそのまま何もしないと、骨が痩せてお顔のハリも失われてしまいます。また、向かい合う歯が伸びてきて歯並びに影響を及ぼします。抜けた部位の骨も痩せてきてしまいます。
歯肉の退縮は、歯周病(歯槽膿漏・歯肉炎)の進行でも起こります。

(3)顔の輪郭が変化してくる(顔貌の変化)
往年の映画女優マレーネ・デートリッヒは、頬のラインをくぼませるために奥歯を抜いたという有名な話があります。 奥歯を失うと頬のラインや顎のラインが内側に寄ります。 また、歯を失って時間がたつと歯肉がやせるのでさらに頬がこけて見えたり顎がたるんで見えたりします。

審美面での影響

3.生活面での影響
(1)ちゃんとかめない事で胃腸に負担がかかる(咀嚼障害による胃腸への負担)
うまく噛み切れない・噛み砕けないといった状態が続くと消化しにくい状態で食物が胃腸に送られることになり、 胃や腸への負担が増加します。また、咀嚼が十分でないと唾液の分泌が不足するので、消化の妨げになります。 さらに、固まりのままだと消化されづらいので、栄養の吸収も不十分で、体調にも影響を及ぼします。 その他、唾液は口の中をきれいにする自浄作用があります。唾液の不足は口臭の原因ともなります。

(2)うまく発音ができなくなる(発音障害)
歯がない部分から息が漏れ、発音が不明瞭になります。 聞き取りにくい話し方になるのを気にして、人と話すことに消極的になってしまいます。

(3)脳への刺激減少
口の中は非常に多くの神経が通っている繊細な器官です。 味覚・触覚・嗅覚が発達した部分なので、歯を失ったことによる咀嚼などの変化が、脳への刺激減少となります。 「よく噛むこと」は脳の老化防止へとつながります。

厚生労働省の研究によると、歯が少なく入れ歯も使わない65歳以上の方は、同年齢の歯が20本以上ある方に比べて、認知症になる確率が1.9倍も高くなるという報告も近年あげられています。