乳歯と永久歯の大きさ

大きさや形は違います。その形の違いが歯並びにも影響してくることがあります。生え変わりは大きく二つのグループに分けて見ていくとわかりやすいです。

・6才前後に抜け代わる前歯(切歯):真ん中から数えて1番目と2番目の歯。
・小学校高学年ぐらいで抜け代わる側方歯群:真ん中から数えて3、4、5番目の歯

前歯(切歯):前歯左右合わせて4本
前歯(切歯)

乳歯の前歯は生え変わる永久歯よりどれも小さいですので、乳歯の前歯4本を足した長さは永久歯の前歯4本を足した長さより短いです。その差は、上顎では約8mm、下顎では5mmになります

乳歯と永久歯の大きさ乳歯の歯並びが閉鎖歯列といってどの歯も互いに接触していると、前歯(切歯)の交換期には歯がうまく並ばなくなることがあります。歯と歯の間に隙間がある(空隙歯列)お子さまはたいていきれいに並びます。また、咬み合わせの面(まっすぐ立ったとき床と平行に近い面になります)に対して、乳歯の前歯はより直立した状態になっていますが、永久歯の前歯は少し角度がついています。そのため歯根より歯冠(頭の部分)の方が広がっていますので、その広がりの部分で足りないスペースを確保できる場合もありますが、角度がつきすぎる場合は出っ歯にみえます。

側方歯群:(前から3、4、5番目の歯)
側方歯群

乳歯と永久歯の大きさ前から数えて3番目の乳歯は乳犬歯、永久歯は犬歯といいます。4番目と5番目の乳歯は乳臼歯、永久歯は小臼歯といいます。小学生高学年で生え変わる子が多いですが、個人差が結構あります。この側方歯群の乳歯と永久歯を比較しますと、3番目の犬歯は永久歯の方が大きく、4番目はだいたい同じぐらいで、5番目は乳歯の方が大きいことが分かります。この3本の歯の合計幅の乳歯群と永久歯群の差は上顎1mm弱、下顎3mm弱で上下どちらも乳歯群の方が幅が大きいです。

この幅をリーウェイスペースといいます。このリーウェイスペースがあるので切歯がきれいに並んでいれば、理論上側方歯群は歯がきれいに並ぶ余裕がある、ということになります。これは平均値ですので個人差があり全ての人に当てはまるわけではありませんが、多くの人はこの考え方に当てはまります。しかし、むし歯などで歯が削れて奥歯が寄ってくるとスペースが少なくなりますので、治療した人も含めて、奥歯にむし歯があったお子さまは注意が必要です。

乳歯と永久歯の大きさの違い
かみ合わせの相談に来られるご両親とお話をしていると、乳歯のときは歯並びが良かったというお話をよく聞くことができます。

乳歯と永久歯の大きさ乳歯と永久歯の大きさ
乳歯と永久歯の大きさ乳歯と永久歯の大きさ

犬歯・小臼歯や乳犬歯・乳臼歯など奥歯の部分は永久歯の方が小さい。

乳歯と永久歯の大きさそのため、歯が生え換わった時に前歯がきれいに並ぶのは、乳歯の時にすきっぱの方が良く、また、永久歯に生え換わるときに、前歯がきれいに並んでいれば、糸切り歯から後ろもきれいに生え変わることが多いです。

それぞれの歯の名前と役割について
それぞれの歯の名前と役割
それぞれの歯の名前と役割

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